京都精華大学 木野際 2022 10月30日-31日

EXHIBITION

作品展示

  • テーマ:別世界
  • カテゴリー:写真

高校の暗い採光

チョン ユジン

高3、4月の夜、塾から学校の寮に帰る道。1時から9時まで厳しく入試をしていたことを覚えている。もうすでに疲れ切った体で1時間半くらいかかってバスで降りと、私を迎えてくれるのは急な傾斜の坂。体も、精神も毎日疲れていた私は、その坂が大好きだった。寮でも、学校でも、塾でも休むことができなかった私の心が唯一休めるところであった。その坂は暗くて、静かで、誰もいなかった。時々聞こえるのは獣や風に揺れる木々の音だけだ。頑張って坂を登って天辺で目を閉じると何も聞こえない。静かすぎて耳鳴が聞こえるくらい。
私は、学校のみんなと結構違う道を歩んでいた。楽しくて厳しい高校生活だったが、学校での記憶はほぼない。でも、この景色だけは頭の中に鮮明に存在している。黄色い街灯がそのあたりを照らすが、闇を完全に消すことはできない。無座だろう。私はその闇が温かく感じられた。
桜の花びらが舞い散るこの頃、多分私はこの暗い闇に、静寂に慰めてもらった。
私はこの光景を見るたび思い出す。私の心と安息、そして暗闇中、私の「高校の暗い採光」を。